九州大学病院 心臓血管外科

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大動脈手術における対麻痺予防のための研究

脊髄虚血による対麻痺(下半身麻痺)は大動脈手術後の重篤な合併症であり、患者QOLを著しく損ないますがその機序はいまだ不明な点が多いです。近年、アポトーシスやネクロプトーシスという細胞死が脳梗塞や心筋梗塞などの虚血再灌流障害、外傷性脊髄損傷などに関与していることが明らかになってきました。現在、ウサギの一過性脊髄虚血モデルに対して、細胞死を抑制する薬を事前投与することや、虚血プレコンディショニングを行うことで、障害脊髄で発生される関連蛋白の発現の程度を免疫組織学的、生化学的に測定・評価しています。本研究により治療薬やプレコンディショニングの有効性を確認できれば大動脈手術を受ける患者の遅発性対麻痺の予防、治療の一助になり術後QOLに寄与することが出来ると考えています。

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