九州大学病院 心臓血管外科

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当科手術の特色

先天性心疾患

当科の先天性心疾患外科治療の特徴

図1
図1

図2
図2

当科における先天性心疾患に対する手術の歴史は本邦でも古く、約50年近く前の1969年に最初の手術が行われました。以後、九州における先天性心疾患に対する外科治療において、中核としての役割を担ってきました。一時期症例数が減少した時代もありましたが、ここ数年徐々に症例数が増加し2016年の手術総数は、158例となりました。この数字は、国立大学の先天性心疾患に対する手術症例数としては遜色のないものであります。小児先天性心疾患手術のうち60-70%は1歳未満の新生児、乳児期手術であり、複雑先天性心疾患に対する外科治療、0生日の開心術、2kg以下の低体重児に対する手術も積極的に行っております。大学病院の特徴として、他疾患合併等複雑な疾患も多いため全例を救命することはできませんでしたが、2016年の病院死亡は1.25%と優れたものでした。

当科の特徴の1つとして、美容を考慮したアプローチがあります。心室中隔欠損症や心房中隔欠損症に対する閉鎖術では、正中切開創を小切開(切開線上部が乳頭のラインもしくはそれより少し上までの皮膚切開)を心がけています(図1)。特に心房中隔欠損症では、右後方開胸による閉鎖術を行っています。この皮膚切開は、患者さんが振り向いても見ることができません(図2)。患者さん本人、ご家族の満足度は非常に高いものであると思っております。

成人先天性心疾患について

“成人先天性心疾患”は耳慣れない言葉ですが、先天性心疾患をもったお子さんが成人に達した患者さんを示します。日本では、年間約9000人の先天性心疾患の患者さんが成人に達するとされており、現在では40万人を超えています。成人先天性心疾患の患者さんの数はすでに小児の先天性心疾患患者数を凌駕しています。これら成人先天性心疾患の患者さんの3分の1は中等度以上の重症度を有しており、さまざまな続発症に対する治療が必要となります。当科ではいち早く成人先天性心疾患専門外来を設け、症例数と手術成績でトップレベルの実績を有しています(図3、4)。主な手術としてはフォロー四徴症術後肺動脈弁置換術、フォンタン転換手術、修正大血管転位症、部分房室中隔欠損症手術などですが、最近では多弁置換など複雑な症例が増加しています。先天性心疾患に対する植込み型補助人工心臓も現在までに3例行っております。

図4に当科における成人先天性心疾患手術数の推移を示しています。成人先天性心疾患手術が次第に増加していることがわかります。成人先天性心疾患に対する外科治療は、小児の専門施設では難しい側面もあって、さまざまな成人の診療科(循環器内科、糖尿病内科、腎臓内科、肝臓内科など)が混在し、さらに成人心臓手術、小児先天性心疾患に対する手術も行っている施設があたるべきであり、九州大学病院の使命であると考えています。

おわりに

先天性心疾患の治療は、塩川准教授、帯刀講師を中心に行っています。何かご不明な点等ありましたら、いつでもご連絡ください。
帯刀英樹(たてわきひでき) tatewaki@heart.med.kyushu-u.ac.jp