九州大学病院 心臓血管外科

急患用ホットライン
0926425046

  • 病棟:0926425563
  • 外来:0926425565

当科手術の特色

先天性心疾患

当科の先天性心疾患外科治療の特徴

当科における先天性心疾患に対する手術の歴史は本邦でも古く、約50年近く前の1969年に最初の手術が行われました。以後、九州における先天性心疾患に対する外科治療において、中核としての役割を担ってきました。一時期症例数が減少した時代もありましたが、ここ数年徐々に症例数が増加し2016年の手術総数は、158例となりました。この数字は、国立大学の先天性心疾患に対する手術症例数としては遜色のないものであります。小児先天性心疾患手術のうち60-70%は1歳未満の新生児、乳児期手術であり、複雑先天性心疾患に対する外科治療、0生日の開心術、2kg以下の低体重児に対する手術も積極的に行っております。大学病院の特徴として、他疾患合併等複雑な疾患も多いため全例を救命することはできませんでしたが、2016年の病院死亡は1.25%と優れたものでした。

当科の特徴の1つとして、美容を考慮したアプローチがあります。心室中隔欠損症や心房中隔欠損症に対する閉鎖術では、正中切開創を小切開(切開線上部が乳頭のラインもしくはそれより少し上までの皮膚切開)を心がけています(図1)。特に心房中隔欠損症では、右後方開胸による閉鎖術を行っています。この皮膚切開は、患者さんが振り向いても見ることができません(図2)。患者さん本人、ご家族の満足度は非常に高いものであると思っております。

小児ECMO治療

ECMOとはextracorporeal membrane oxygenationの略であり、体外式膜型人工肺と訳されます。遠心ポンプと人工肺からなり体外循環により、心機能と呼吸機能を代替し生命を維持する装置です。ECMO治療は究極の対症療法であり、回復する見込みのある心肺機能不全に対する治療方法です。小児ECMO治療の適応は、劇症型心筋炎、心臓手術術後心不全、重症呼吸不全(新生児遷延性肺高血圧、胎便吸引症候群など)、横隔膜ヘルニア周術期などと考えられます。九州大学病院において2014年11月から2016年10月までの2年間で19例の小児ECMO治療を行いました。非常に重症疾患が多いため全例救命することはできませんでしたが、急速に心不全の進行する劇症型心筋炎に対して5例のECMO治療を行い、全例救命できております。小児ECMO治療は、チーム医療(心臓血管外科医、小児外科医、小児科医、ME等)が不可欠であり、治療が行える施設は限られています。患者さんは福岡市のみでなく、福岡県全域、佐賀県などからも搬送されてきており、日本でも有数の小児ECMOセンターとなっております。

小児重症心不全治療

九州大学病院は九州で唯一の心臓移植認定施設であり、植込み型補助心臓や心臓移植を行っています。しかしながら、小児重症心不全治療においては、認定施設ではないため、九州在住のお子さんで重症心不全治療が必要な患者さんは東京もしくは大阪に行って治療を受けてきました。九州大学病院では小児重症心不全治療を推進すべく2017年4月より小児用補助人工心臓実施施設になり、2017年中には小児心臓移植認定施設になるべく現在準備を進めております。

おわりに

先天性心疾患の治療は、塩川准教授、帯刀講師を中心に行っています。何かご不明な点等ありましたら、いつでもご連絡ください。
帯刀英樹(たてわきひでき) tatewaki@heart.med.kyushu-u.ac.jp