心臓弁膜症
当院では2014年1月からTAVIを開始し、2021年3月に通算300例に到達いたしました。当院での成績ですが、手術早期の死亡(手術死亡)はゼロで経過しており、全国で最も安全なTAVIが提供できています。
TAVI手術数 | |
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2017年 | 63例 |
2018年 | 52例 |
2019年 | 42例 |
2020年 | 36例 |
2021年 | 39例 |
TAVIでは、カテーテルに装着した折り畳み式の人工弁(生体弁)を、血管を通じて心臓のそばの大動脈弁へ挿入し、バルーン(風船)の力で拡張したり(SAPIEN3)、金属フレームのバネの力で広がったりして(Evolut)、大動脈弁を押し広げながら人工弁を留置します。 大きな切開が不要で、人工心肺を使ったり、心臓を止めたりしない手術なので、身体の負担がとても少ないことが特徴です。主に、下記のようなアプローチ(カテーテルを挿入する場所や方法)がありますが、最も安全で有効な手段をTAVIチームで慎重に検討のうえ、決定しています。
動脈硬化による大動脈弁狭窄症の方で、高齢であったり、体力が非常に低下している、心臓以外の重症の併存症がある、など通常の手術が困難な方に適しています。
頻度は低いですが、手術には以下のような危険性があります。事前にCTなどでの精密検査が必要です。
そのほか、長期の耐久性についてはまだはっきりとしていませんので、今後のフォローアップが必要です。
当院では、外科医、内科医ともに緊密に連携をとっており、5名の術者体制で手術を行なっています。また、前述のTAVIの全ての術式に精通している数少ない専門施設ですので、患者様に安全で最適なTAVIが実施できます。