九州大学病院 心臓血管外科

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第3回九州・沖縄地区補助人工心臓研修コース

アドバイザーご挨拶


大阪大学大学院医学系研究科 心臓血管外科
教授 澤 芳樹
(補助人工心臓治療関連学会協議会 代表)

2011年に植込型定常流補助人工心臓が保険償還されて7年が経過致しました。本邦においても植込み型補助人工心臓の患者数は徐々に増加し、2017年は年間約150例にまで増加しました。2018年8月末までに900例近い植込み手術が行われております。J-MACSの統計やほかの文献的報告を見てみても、本邦においては1年生存率90%以上、2年でも85%以上の生存率を達成しており、世界的に見ても類をみない非常に良好な成績です。LVAD植込数の増加や良好な成績も相まって、心臓移植待機期間はさらに長期化しており5年以上の待機期間を要する症例も見られるようになりました。結果的に、植込型補助人工心臓装着中の患者さんの数は増加する一方です。保険償還後当初は東京や大阪や一部中心都市の植込施設周囲での管理を余儀なくされており、患者さんも植込施設周辺への転居などを強いられてきました。しかし、植込型補助人工心臓、心臓移植治療が日本全国に普及するにつれて、植込施設だけではなく各患者さんの出身地域での管理がより重要となってきました。一方で、植込み型補助人工心臓患者の管理には、循環器内科医・心臓外科医だけではなく、脳卒中内科医・脳神経外科医・看護師・移植コーディネーター・臨床工学技士・理学療法士・栄養士・ソーシャルネットワーカー・臨床心理士など様々な医療関係者による心不全ハートチームでの治療が不可欠であり、各地の管理施設でもハートチームの育成が不可欠であります。

このような背景から、2009年より東京大学補助人工心臓研修コース(2010年から東京女子医大と共催)、西日本補助人工心臓研修セミナー(大阪大学主催)、JACVAS補助人工心臓セミナー(日本人工臓器学会大会時に開催)を中心に、植込型LVAD治療にかかわる医療関係者の育成が行われてきました。2015年には東北大学が中心となって東北・北海道補助人工心臓研修コースが開始され、2016年には九州大学の先生方に中心となっていただいて、九州・沖縄地区補助人工心臓研修コースの設立がされました。当「九州・沖縄地区補助人工心臓研修コース」は今回で第3回を迎え、前回までに九州・沖縄地区でも補助人工心臓治療に関わる外科医・循環器内科医・看護師・臨床工学技士を始めとする多くの関係者が地元で研修を受けてこられました。その結果、着実に九州・沖縄地区での植込型補助人工心臓装着患者さんの臨床成績・QOLが向上しています。当研修コースが、九州・沖縄地区における植込型補助人工心臓治療の普及推進にさらに大きく貢献するものと期待されています。関係者の皆さんのご尽力に心から感謝申し上げます。