九州大学病院 心臓血管外科

先輩の声

九州大学病院心臓血管外科で活躍する、先輩達の声をご紹介します。
入局を決めた理由や魅力、やりがいなどを語っていただきました。

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後輩へのメッセージ
-進路に迷っているみなさんへ-

西島 卓矢

九州大学病院 心臓血管外科 / 西島 卓矢(2014年卒業)

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 このページを読んでいる方は、心臓血管外科に興味のある学生の方や入局を迷われている初期研修医の先生だと思いますので、そのような方々の参考になるのではないかと思うことを述べさせて頂きます。

 医学生にとって将来の診療科を決めることは難しい問題だと思います。講義や臨床実習だけではどうしても判断材料となる情報が少なく、働くイメージがわかない方も多いでしょう。私自身もそうでした。しかし、今思い返してみると、実際に興味のある医局の説明会に参加したり、自ら見学に行ったりして自分がどう感じるかを確認してみることが、一番参考になるのではないかと思います。

 私が心臓血管外科に興味を持ったのは、5年生の頃に、学生、研修医向けに開催されているWet Labに参加したことがきっかけでした。縫合結紮など基本手技の解説や、実際の豚の心臓を用いた解剖の学習、模擬手術が行われていました。一つ一つの手技に理論や根拠があること、それらの積み重ねで手術が構成されていることを知り、面白いと感じました。そうやって、その後もこの会に参加し続けているうちに、気づけば入局していました。今もまだ、気持ちはその頃のまま、働いています。

 九州大学心臓血管外科の特色は、成人小児を問わず幅広い領域、分野で手術を行っていること、関連病院、医局員が多いことだと思います。入局後の数年間は関連病院を比較的短い期間でローテーションすることになります。頻繁に環境が変わることには苦労もありますが、幅広い領域を学ぶことができます。施設が変わることで視点が変わり、同じものを見ても新たな発見があることもまた、不思議で面白く、そして大変勉強になります。病院ごとにたくさんの友人ができることも良い点だと思います。また、医局員にはいろいろな先生がいらっしゃいます。多くの尊敬する素晴らしい上司の先生からは、仕事は勿論、その他の面でも多くのことを学ばせてもらっています。同期や近い世代の先輩後輩の中にもすごい人はたくさんいて、個性的な人たちの中で毎日刺激を受けることはとても楽しいです。

 昨今は働き方改革が取り沙汰されており、医師の労働時間に大きな注目が集まっています。学生や研修医の方の中には、忙しそう、という理由で外科を敬遠してしまう方もいるかもしれません。ですが、どの分野に進んだとしても、仕事と真剣に向き合うことは大変なことだと思います。地道に修練を積むことは当然に時間を要するものですが、それ自体を厭うような先生は見かけませんし、きっとこのページを読まれている皆さんもそうだと思います。心臓血管外科は、業務の多さや労働時間の長さばかりが情報として先行しがちですが、そこにマスクされた別の部分に実はもっと大変なことがあり、しかしそれが本質で、時にやりがいと呼ばれる部分なのかな、と時々感じたりします。

 幸いなことに、現在日本では国家試験に合格すればおよそ希望した診療科に進むことができます。主体的に行動することは楽なことではありませんが、一方で希望のままに挑戦できるチャンスでもあると思います。興味をもたれている方は、是非一度見学に来られませんか。実際に自分の目で見ることで、きっと何か感じるものがあると思います。Wet Labも年に2回程度開催されているので是非ご参加下さい。ご質問、ご相談があればいつでもお受けしますのでご連絡下さい。見学やWet Labに来られた際や実習の際でも構いませんし、医局へのメールや電話でも構いません。皆さんと一緒に働ける日をお待ちしています。