九州大学病院 心臓血管外科

主な臨床研究

補助循環用ポンプカテーテルに関するレジストリ事業

臨床研究について

九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病院心臓血管外科・ 循環器内科では、現在補助循環用ポンプカテーテルを留置された患者さんを対象として、生存率や予後の改善等に影響を与える因子の探索(解析)を行い、今後の心原性ショック等の急性心不全の病態にある患者の救命治療についての臨床評価や臨床管理などに役立てるための「臨床研究」を行っています。

今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、2022年12月31日までです。

研究の対象者について

九州大学病院心臓外科・循環器内科に心原性ショックで入院されている患者さんで、補助循環ポンプカテーテルを留置される全ての患者さんを対象とさせていただく予定です。研究者が研究対象者として適切でないと判断した患者さんについては参加いただくことができません。

研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。

研究の方法について

この研究への参加に同意いただきましたら、カルテより以下の情報を取得します。取得した情報の関係性を分析し、生存率や予後の改善等に影響を与える因子の探索・解析を行います。

〔取得する情報〕
患者背景、入院情報、既往歴、現病歴、リスクファクター、心疾患の治療歴、IMPELLA留置前の状態、Japan Coma Scale(JCS)、IMPELLA 使用理由、心不全の原因、追加の補助、血行動態パラメータ(病院到着直後および補助開始前の直近30分以内)、IMPELLA使用前の機械的補助循環装置、左室駆出率、臨床検査(病院到着後の最初の測定、および補助開始前の直近の測定)、併用薬剤(強心剤/昇圧剤、心臓関連薬)*、製品不具合

取得した情報を九州大学にて匿名化し、Web登録を介して大阪大学医学部心臓血管外科にデータを集積し、解析を行う予定です。

個人情報の取扱いについて

あなたのカルテの情報をこの研究に使用する際には、あなたのお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。あなたと研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院医学研究院循環器外科学分野内のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。

また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、あなたが特定できる情報を使用することはありません。

この研究によって取得した情報は、九州大学大学院医学研究院循環器外科学分野教授・塩瀬明の責任の下、厳重な管理を行います。

ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

あなたのカルテの情報を登録する際には、九州大学にて上記のような処理をした後に行いますので、あなたを特定できる情報が外部に送られることはありません。

試料や情報の保管等について 〔研究計画書13.試料・情報の保管等〕

〔情報について〕
この研究において得られたあなたのカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院医学研究院循環器外科学分野において同分野教授・塩瀬明の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。

また、この研究で得られたあなたの情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、あなたの同意がいただけるならば、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えております。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

利益相反について

九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。

一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。

本研究に関する必要な経費は学会から拠出されており、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。

利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。

利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学ARO次世代医療センター 電話:092-642-5082)

研究に関する情報公開の方法について

この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、どうぞお申し出ください。

また、この研究では、学会等への発表や論文の投稿により、研究成果の公表を行う予定です。

また、ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

研究の実施体制について

この研究は以下の体制で実施します。

研究実施場所(分野名等) 九州大学大学院医学研究院循環器外科学分野・循環器内科学分野
九州大学病院心臓血管外科・循環器内科
研究責任者 九州大学大学院医学研究院循環器外科学分野 教授 塩瀬 明
研究分担者 九州大学大学院医学研究院重症心肺不全講座  助教 橋本 亨
九州大学大学院医学研究院循環器内科学分野  診療講師 肥後 太基
九州大学病院循環器内科 医員 藤野 剛雄
九州大学大学院医学研究院重症心肺不全講座 准教授 田ノ上 禎久
九州大学病院心臓血管外科 助教 牛島 智基
共同研究施設及び
試料・情報の提供のみ行う施設
施設名 / 研究責任者の職名・氏名 役割
大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科学
教授 澤 芳樹
解析
情報の収集
相談窓口について 〔研究計画書2.実施体制(事務局)〕

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、下記担当者までご連絡ください。

九州大学大学院医学研究院重症心肺不全講座