九州大学病院 心臓血管外科

先輩の声

九州大学病院心臓血管外科で活躍する、先輩達の声をご紹介します。
入局を決めた理由や魅力、やりがいなどを語っていただきました。

voice04

様々な経験を提供できると
信じています

平山 和人

九州大学心臓血管外科 / 平山 和人(2010年卒業)

kazuto hirayama

 九州大学心臓血管外科の平山和人と申します。現在、卒後9年目、大学院3年生であり、心臓移植におけるドナー心採取に関する研究を行っております。私がこの研究テーマを選んだのは、心臓血管外科医としての駆け出しの時にある症例を経験したことから、重症心不全治療を自身のライフワークとしたいと強く心に決めたからでした。

多くの患者を
救いたいという初心を、
より明確に実現させる実力に
つながっている

 初期研修終了後、レジデント(医師3年目)として、九州大学病院へ勤務した4月のことでした。定型手術の流れについていくのにも苦労し、また慣れない術後管理のため、ICUのベッドサイドに張り付く日々を過ごしていた時期です。拍動式体外設置型左心補助人工心臓が装着された重症心不全患者の担当となり、当時としてはまだ日本でもほとんど行われていなかった植込型左心補助人工心臓へのconversion手術が行われました。この症例は先輩医師により論文化(Ushijima T et al : A case report of NIPRO ventricular assist system to an EVAHEART left ventricular assist system.)もされ、また、私自身も胸部外科学会九州地方会でのcase report awardで優秀賞をいただくことができました(もちろん、指導医におんぶにだっこの発表でしたが…)。しかし、当時の私はその症例の学術的重要性よりも、体外式補助人工心臓が装着され、入院生活を余儀なくされ、意欲も失い、ほぼ寝たきりに近いような状態であった患者が、植込型補助人工心臓を装着することで、意欲を取り戻し、リハビリを行った末に、歩いて自宅に退院できたということに、ただただ単純に感動していました。当時は、植込型左心補助人工心臓が保険償還されたばかりの時期であり、多くは体外設置型左心補助人工心臓を装着し入院したままの状態で心臓移植待機をせざるを得ない状況だったのです。実際に、学生実習の時に見ていたのは、病棟個室で、拍動型体外設置型補助人工心臓が装着され、ベッド上で多くの時間を過ごしながら移植待機をしていた重症心不全患者たちでした。そんな中で、自分が医師となり担当し、元気に自宅退院した、この患者をみて、重症心不全患者をもっと助けたい、もっと元気にしたい、歩いて自宅に帰したい、自分の好きなことを目一杯やってもらいたい、自分の人生を謳歌してもらいたい、という気持ちが強く沸き上がりました。重症心不全治療を志すきっかけとなる経験を心臓血管外科医人生の最初期に得ることができたことは、私にとってはその学術的な意義よりも貴重なことだったと思います。
 その後は、成人・小児を問わず、関連病院をいくつか経験し、それぞれの病院で、心臓血管外科医として必要なトレーニングを受け、卒後7年目で大学院生として大学に戻ってきました。それらの経験は、多くの患者を救いたいという初心を、より明確に実現させる実力につながっていると、自負しています

あなたの目指す
心臓血管外科医になるために

 あなたは、どんな心臓血管外科医になりたいですか?きっと、ひとが何かを志すにはきっかけがあるはずです。しかし、そのきっかけは、経験することがなければ得ることはできないと思います。私たち、九州大学心臓血管外科ならば、あなたの目指す心臓血管外科医になるための、様々な経験を提供できると信じています。
 あなたの目指す心臓血管外科医を、私たちと一緒に目指しましょう!